
次世代電池も3Dプリントの対象に|シリコンバレーの新興企業Sakuuがバッテリー生産を変革する
リチウムイオン、リチウム金属、固体電池などの次世代電池を3Dプリント
今日、電池もまた3Dプリントの対象となっている。
たとえば、2022年12月にシリコンバレーの新興企業であり、次世代バッテリーの積層造形 (AM) を専門とするSakuuは、同社のKavian AMプラットフォームをバッテリー生産に使用できるようになったことを発表。同社が描いている展望は、独自のSwiftPrint技術を使用して、リチウムイオン、リチウム金属、固体電池などの次世代電池をEV市場やその他のさまざまな産業向けに3Dプリントすることだ。
この展望が可能にすることは、リチウムイオン電池材料のリサイクルの合理化である。またバッテリーの形状のカスタマイズも従来より容易になるだろう。
Sakuuは、その「乾式」の性質がSwiftPrintプロセスの重要なセールスポイントの1つであると考えている。この機能により、バッテリー製造方法の信頼性、費用対効果が向上し、「湿式」のAM電池出力よりも高速になる。
プレスリリースによれば、SakuuはまたSwiftPrint技術を他のメーカーにもライセンス供与する計画があるようだ。これは、バッテリーIPのライセンサーとライセンシー自身だけでなく、バッテリーサプライチェーンのあらゆるメーカーにとっても有利に働く。やがては、世界経済全体での次世代バッテリー生産の加速につながっていく可能性が高い。
さらにバッテリー製造を自社工場で行うことが可能になれば不要な輸送機会も削減される。これはサプライチェーンによる環境負荷の見直しにもなる。
電池はあらゆる機械製品に欠かせない動力源。3Dプリント技術が時代に及ぼす影響はとどまることを知らない。