家庭・学校・オフィスで安心して3Dプリンターを使うために|リスク研究の最前線と安全対策
近年、手頃な卓上型3Dプリンターが普及し、家庭や学校、オフィスでも気軽に使えるようになりました。実際、米国NIOSH(労働安全衛生研究所)によれば、3Dプリンターは今や学校や図書館、小規模事業所など幅広い場面に置かれ、生活に必要なインフラへと変わりつつあります。(参照:blogs.cdc.gov)
こうしてものづくり教育やプロトタイピングに革命を起こす一方で、同時に重要なことが安全面への配慮です。ここでは、2025年時点で明らかになっている3Dプリンター利用時のリスクと懸念点、その対策や予防策、安全に使う心得について、最新の研究知見やガイドラインに基づきわかりやすく紹介します。
もちろん、どのような技術にもリスクは存在します。3Dプリンターが時代に必要な技術であることは間違いいないため、過度にネガティブになる必要はありません。「正しく慎重になる」ことで3Dプリントをより安心して楽しんでいただければ幸いです。
健康への影響: 微粒子・ガスの発生と最新知見
まずは3Dプリンターが健康に与える影響について最新の研究を紹介します。以下は2025年時点で明らかになっているデータですが、換気や高性能フィルターの活用によって、これらのリスクをきちんと回避していくことを推奨するためにまとめたものです。
3Dプリンター、とりわけフィラメントを溶かして積層するFDM/FFF方式では、超微細粒子(UFP) や 揮発性有機化合物(VOC) といった微粒子・ガスが発生します。
ULリサーチ研究所の調査によれば、5年間にわたる500回以上の試験で、家庭や教育現場で広く使われるFFF式3Dプリンターが有害なUFPとVOCを排出し、中には発がん性物質や刺激性・生殖毒性物質などが含まれる可能性が指摘されています。(参照:idarts.co.jp)
研究チームは「3Dプリンティングが排出する超微細粒子と化学物質への曝露により、推奨曝露限界を超えて急性・慢性・発達上の健康影響を引き起こす可能性がある」とし、ユーザーはその潜在的危険性を認識し適切な対策を講じるべきとコメントしています。
実際、家庭やオフィスで3Dプリンターを使ったユーザーからは、「印刷中に頭痛や目・喉の刺激、呼吸器の不調を感じた」との報告もあり、公衆衛生上の懸念が生じています。最新の包括的研究では、様々な材料で447回の印刷実験を行い、材質によって排出される粒子やガスの量が大きく異なることが示されましたi。
例えば、ABSやHIPS、ナイロンフィラメントは特に粒子の排出量が高く、排出粒子の大半は100ナノメートル以下の超微細粒子であるため肺や血流、脳深部にまで到達しうることがわかっています。これら粒子への曝露は呼吸器疾患や心血管疾患と関連する恐れがあります。さらにABSやHIPS樹脂の利用時には、発がん性が指摘されるスチレンやホルムアルデヒドなど有害VOCも多く検出され、米国大気質基準(NAAQS)を上回る排出濃度が確認されています。
一方でPLA(ポリ乳酸)材料は総じて粒子・VOC排出量が低い傾向が報告されており、家庭や学校で比較的安全なフィラメント選択肢と考えられています。
こうした排出物の健康影響について、最新の毒性研究も注意を促しています。例えばUL傘下のChemical Insights研究所(CIRI)による2022年の研究では、ABSおよびPLA印刷中に発生する煙を細胞実験で調べ、ABS樹脂の煙に高濃度曝露した肺細胞の生存率が約半分(49.5%)に低下することが確認されました。PLAとABSの排出物はいずれも細胞の炎症や酸化ストレスマーカーの変化、DNA損傷の増加を引き起こしましたが、総合的にABSの方がPLAより毒性が高いと評価されています。
また米国EPAのモデル研究では、子どもは大人より呼吸器への微粒子沈着率が高いと予測されており、同じ環境下でも成長段階にある子どもの方が影響を受けやすい可能性が示唆されています。(参照:assessments.epa.gov)
以上より、特にABS樹脂などを長時間・複数台で出力する場合や、換気の悪い空間では、微粒子や化学物質による空気質の悪化に注意が必要です。定期的な換気や高性能フィルターの活用、できれば排出の少ない材料選びを心掛け、健康リスクを最小限に抑える工夫が大切です。
安全対策については下部にあらためてまとめておきますので、ぜひご参考いただけましたら幸いです。
火災リスクと機械的トラブルへの備え
3Dプリンターは高温のヒーターや高出力の電気部品を備える機械です。そのため、誤った使い方や機器の不具合次第では火災のリスクもゼロではありません。
実際にはメーカーも安全対策を講じており、適切に使えば火災事故は稀ですが、それでも少数ながら発熱部の暴走や電気系統のショートに起因する事故例が報告されています。(参照:snapmaker.comsnapmaker.com)
たとえば2024年には、あるメーカーの家庭用3Dプリンターがヒートベッド(加熱テーブル)の配線不良によりショートを起こし発火の危険があるとしてリコールされました。この機種では配線断裂により絶縁被膜を焼き切るようなスパークが確認され、約1.3万台が回収措置となっています。(参照:cpsc.gov)
火災につながる原因としては、上記のような電気配線の不具合のほか、センサー故障によりヒーターが制御不能になる「サーマルランナウェイ(暴走加熱)」や、ノズル詰まりで樹脂が出力されずヒーター部が過熱し続けるトラブル、劣化した電源ケーブルやコネクタの発熱、あるいは長時間の無人運転中にこれらの事態が発生するケースなどが想定されます。幸い重大な事故は多くありませんが、「万が一」を防ぐための対策を講じておきましょう。(参照:snapmaker.com)
まず、設置場所にも気を配ります。プリンター本体は平坦で耐熱性のある安定した場所に置き、周囲に可燃物(カーテンや紙類)がない状態にします。また学校施設などでは、プリンターの近くに消火器を設置することや、適切なアース(接地)を取ったコンセントに直接接続することが推奨されています。(参照:doh.wa.govdoh.wa.gov)
印刷中は可能な限り人が見守るか、難しければ監視カメラ等で様子を確認できるようにし、異常発熱や煙にすぐ気付ける体制を整えましょう。就寝中や外出中の連続稼働はなるべく避け、どうしても長時間プリントが必要な場合は煙探知機を同じ部屋に設置しておくとより安心です。
また、プリンター本体のファームウェア設定を確認し、万一温度センサーが外れたり制御不能になった際に自動停止する「サーマルランナウェイ保護機能」が有効になっているか確認してください。市販品の多くは標準で備えていますが、古い機種や自作機の場合は最新の安全機能にアップデートすることを強くお勧めします。
加えて、日常的な点検とメンテナンスも欠かせません。印刷の合間に配線の被覆割れやコネクタの緩み、ノズルやヒートブロック周辺に樹脂の焦げ付きがないかなどをチェックし、異常があれば使用を中止します。ネジやベルトの緩みも発熱や摩耗の原因になるため適宜増し締めしましょう。プリンター内部にホコリが溜まると過熱や火種の元になりますので、電源を落として冷却後に静電気防止ブラシや布で清掃し、可燃性の埃をためない工夫も大切です。もちろん、造形中はノズル先端やヒートベッドが高温になるため決して触れないよう注意し(ノズルは摂氏200~300℃、ヒートベッドも100℃前後に達します)、小さなお子さんやペットがいる環境では物理的に触れられないよう囲いを設置するか、完全密閉型エンクロージャー(後述)に入れて運用すると良いでしょう。
教育現場での注意点: 子どもと安全に3Dプリント
学校や児童のいる環境で3Dプリンターを使う際には、家庭以上に安全管理への配慮が求められます。子どもは大人より有害物質の影響を受けやすく、また機械そのものへの興味から無邪気に手を伸ばしてしまうこともあるためです。(参照:assessments.epa.gov)
教育現場での基本は、必ず大人・教職員の監督下で使用させることです。印刷前に十分な安全教育を行い、操作方法だけでなく発生しうる危険(高温部による火傷、動く軸による挟み込み、有害ガスの吸入など)について子どもにもわかる言葉で説明しましょう。米国の学校保健当局は「使用前の安全トレーニング」の実施を推奨しており、教員が印刷前にプリンターの点検を行うこと、インターロック(扉の安全スイッチ)を無効化しないこと、熱や鋭利な部位には絶対に触れないこと等を周知するよう求めています。
プリンターの選定も重要です。教育用途には可能な限り筐体が完全に密閉された製品(扉やフードで囲われ、手が直接中に入らないもの)を選ぶと良いでしょう。密閉型であれば、万一中でトラブルが起きても子どもが直接触れるリスクを減らせるほか、排出される微粒子や臭気もある程度閉じ込める効果があります。
またフィラメントはPLA素材を基本とし、ABSやナイロンなど有害排出物の多い材料は避けるのが無難です。PLAはトウモロコシ等が原料の生分解性プラスチックで、比較的低温(約200℃)で造形可能なためヒートベッドを使わなくても造形でき、火傷や有毒ガスのリスクが低いとされています。実際、米ワシントン州の学校環境基準では「教育現場の3Dプリンターは局所排気装置を備えること」が義務付けられており、HEPAフィルター付きの排気ファンや屋外へのダクト排気が推奨されています。教室内に複数のプリンターがある場合は専用のプリント室を設けて負圧換気するなど、空気が淀まない環境づくりが望ましいとされています。
運用上の注意点としては、生徒がプリンターのメンテナンスや後処理(刃物でのサポート材除去や有機溶剤の扱い等)を勝手に行わないようにすることが挙げられます。清掃や樹脂の補充などは必ず教師や技術スタッフが行い、必要に応じて手袋や保護眼鏡を着用します。
また造形後の部品取り外し時にも思わぬ危険があります。プリンターのフードやカバーは印刷終了後最低20分程度は開けず、内部の煙や微粒子を十分沈静化させてから造形物を取り出すようにしましょう。取り出し時にノズルやヒートベッドの残留熱で火傷しないよう、十分冷却されていることを確認します(参照:doh.wa.gov)。・作品がプラットフォームに貼り付いている場合、金属ヘラ等で無理にこじると手元が滑って怪我をする恐れがあります。可能な限りプリントシートごと柔軟に曲げて剥がすか、ヘラを使う場合は手袋(耐切創手袋)を着用して刃を自分の方に向けないよう注意します。作業後は手や顔を石鹸でよく洗い、万一付着した微粒子や樹脂成分を体内に取り込まないようにすることも大切な習慣です。
メーカーや行政機関のガイドライン・国際安全基準
3Dプリンターの安全使用に関しては、メーカー各社や各国の行政・研究機関がガイドラインや基準を策定し始めています。
米国NIOSHは2023年に「安全な3Dプリンティングの手引き」を発表し、メーカーや学校・図書館、小規模事業者向けに包括的なリスク対策を提示しました。(参照:cdc.gov)
この中ではリスクアセスメントの実施やハザードごとの管理策(換気装置の設置、利用者への教育、PPEの着用など)を「ハザードの除去」「代替材料の使用」「工学的対策」「管理的対策」「個人保護具」の優先順位(ハザード対策のヒエラルキー)に沿って講じるよう推奨しています(参照:blogs.cdc.govblogs.cdc.gov)。
例えば、ABSではなくPLA等のより安全な材料に置き換えることや、プリンターにオプションの排気フィルターやエンクロージャーを追加して排出物を低減すること、利用者ルールを作って換気や手洗いを徹底することなどが具体例として挙げられています。
また米国UL(安全試験機関)は、デスクトップ3Dプリンターの排出物評価基準「UL 2904」を2019年に制定し、プリンターやフィラメントのVOC・微粒子放出量を試験する国際標準が整備されつつあります。この基準に基づき、一定の低エミッション要件を満たした製品には「GREENGUARD認証」が与えられる制度も始まりました。実際、複数のメーカーがフィルター付き密閉型プリンターでこの認証を取得し、室内空気への影響が小さいことをアピールしています。
教育機関向けには、UL傘下のChemical Insights Research Institute (CIRI)が2023年に「UL 200B 高等教育機関における3Dプリンター安全利用指針」を公開しました。(参照:businesswire.combusinesswire.com)
全米の大学EHS(環境健康安全)担当者らと連携してまとめられたこの指針では、キャンパスで蔓延する3Dプリント利用に対し、空気質の確保や利用者保護のベストプラクティスを提示しています。CIRIのブラック博士は「3Dプリントは教育的価値が大きい反面、動作中に有害なVOCや超微粒子を放出するという意図せざる結果を伴う。近年の毒性研究から、これらの排出物への曝露が細胞の損傷や炎症、生体内分子への酸化的ダメージに寄与しうることが示された」と述べており、同指針では換気やフィルターの徹底、安全な材料選択や行動規範の整備によって「屋内空気質を改善し、急性・慢性の健康影響リスクを低減できる」と報告しています。
日本国内でも、経済産業省や文部科学省が中心となって3Dプリンターの安全標準化に取り組んでおり、教育用機材として導入する際のガイドブック等で安全面への注意喚起が行われています(例えば「高等学校DX推進事業」における教材選定ガイドライン等)。メーカー各社も製品マニュアルで換気環境の確保や防護メガネ・手袋の使用**(特に光造形方式の場合)、幼児の手の届かない設置といった基本事項を案内しています。ご家庭や学校で導入の際は、こうした公式ガイドラインや製品マニュアルをよく読み、遵守することがまず第一の安全策となるでしょう。
安全に使うための心得・習慣
最後に、一般ユーザーや教育関係者が日常的に心掛けたい安全習慣をまとめます。これらは先述のリスク対策を踏まえたもので、特別なコストをかけずに実践できるものばかりです。上述したさまざまなリスクを回避し、安全に楽しく3Dプリンターをご使用いただく上で是非とも実践しいていただきたいです。
- 十分な換気を確保する: 3Dプリンター使用時は必ず換気扇を回すか窓を開け、空気の停滞を防ぎましょう。可能であればプリンター専用の局所排気ダクトや市販のHEPAフィルター付き空気清浄機を併用し、微粒子や臭気を室外へ排出します。複数台を同時稼働させる場合や長時間のプリントでは特に換気が重要です。換気の悪い空間での稼働は避け、どうしても閉め切る場合は休憩時間に空気を入れ替えてください。
- 素材選びと温度管理: フィラメントは基本的には低公害なPLA素材を選ぶようにし、ABSやナイロンなどを使う際はより厳重に換気・防護策を講じましょう。同じ素材でも色や添加剤の違いで排出量が変わるという報告もあります。メーカー推奨の温度設定を守り、必要以上にノズル温度を上げないことも大切です(ABSは温度を上げるほど粒子排出が増える一方、PLAは適正温度内であれば排出が少ない傾向があります)。プリント速度も速めすぎると排出量が増える場合があるため、精度と安全性のバランスを意識しましょう。
- 機器の点検・メンテ: 定期的にプリンターの状態をチェックし、ネジの緩みや配線の傷み、ホコリの蓄積がないか確認しましょう。造形テーブルやノズル周りに樹脂の焦げ付きがあれば清掃し、動作音や挙動に異常がないか耳と目で確かめます。必要に応じ潤滑や部品交換を行い、常にベストコンディションで運転できるようにします。メンテナンス中は必ず電源を落とし、加熱部が十分冷めてから作業してください。
- 安全装置と消火備品: プリンター購入時には安全機能の有無を確認しましょう。前述のサーマルプロテクション機能はもちろん、扉を開けると自動停止するインターロック機構や、非常停止ボタンなどがあると安心です。周囲には消火器や耐火シートを備え、万一の小規模火災には初期対応できるようにします。消火器はABC粉末消火器など一般家庭用のもので構いませんが、すぐ使えるよう置き場所を決めておきましょう。
- PPE(個人防護具)の活用: 通常のPLA印刷程度であれば過度に身構える必要はありませんが、有機溶剤の扱い(レジン洗浄や接着剤スプレーの使用など)を伴う場合や、ABS樹脂の臭いで気分が悪くなる場合には有機ガス用マスクや保護手袋の使用を検討してください。特に光造形式(レジン方式)の3Dプリンターでは、液状樹脂そのものが皮膚刺激性・毒性を持つため素手で触れないこと、紫外線硬化ライトを直視しないことが大原則です。必ずニトリル手袋とゴーグルを着用し、作業後は石鹸できれいに手洗いしましょう。
- 慌てず落ち着いて対処: 造形中にトラブルが起きた場合、焦って手を出すのは禁物です。例えばフィラメントが絡まったり剥がれたりしても、決して手を突っ込まず一旦プリンターを停止してください。発火や発煙を見つけた場合は電源を落とし、無理に消そうとせず周囲に知らせて消火器で対応します。安全が確保できなければ退避し、消防に連絡しましょう。
メーカーによる安全対応:Bambu Labの迅速なリコール事例
2023年には、高性能3Dプリンターで注目を集めるBambu Labが、一部製品における電源起因の不具合をめぐって自主的なリコール対応を行い、ユーザーコミュニティの中で大きな話題となりました。この不具合は、特定条件下で異常加熱が発生する恐れがあるというものでしたが、事故が起こる前の段階で問題を特定し、全世界のユーザーに対して迅速かつ丁寧な連絡と無償部品交換・返金対応を実施しました。
この対応は、単なる不具合への対処にとどまらず、メーカーとしての信頼性や安全性への真摯な姿勢を示す好例といえます。加えて、詳細な報告書の公開やコミュニティとの透明な対話も高く評価され、結果的に同社のブランド価値はむしろ高まりました。
家庭や教育現場などで3Dプリンターを活用するユーザーにとって、こうした誠実な安全対応を行う企業を選ぶことは、製品の性能と同じくらい重要な要素です。Bambu Labの事例は、「もしもの時」にどう動くかが、メーカーにとっての信頼の礎となることを改めて示しています。
おわりに
3Dプリンターは私たちの創造力を形にできる素晴らしい道具です。その普及に伴い明らかになってきたリスクもありますが、正しい知識と対策があれば過度に恐れる必要はありません。「換気をしながら基本的にはPLAでプリントする」「子どもが使うときは必ず大人が見る」「長時間席を外さず、火気には注意する」――こうした基本を押さえておけば、3Dプリンターは家庭や教育現場でも安全に活躍してくれるはずです。
実際、研究者たちもリスクを強調する一方で、「適切な緩和策を講じれば健康への悪影響は十分低減できる」と報告しています。今回紹介した最新知見やガイドラインも参考に、ぜひ日頃から安全第一の習慣を身につけてください。そして安心・安全な環境で、ものづくりの楽しさと未来への学びを存分に味わいましょう!
参考
NIOSH (National Institute for Occupational Safety and Health)
“3D Printing Safety at Work.”
https://www.cdc.gov/niosh/topics/3dprinting/
EPA (Environmental Protection Agency)
“Evaluation of Emissions from Desktop 3D Printers.”
https://www.epa.gov/chemical-research/3d-printer-emissions
UL Chemical Insights Research Institute (CIRI)
“Characterization and Toxicological Assessment of 3D Printer Emissions.” (2022–2023)
https://chemicalinsights.org/research/3d-printer-emissions/
UL 2904 Emission Standard
“Standard Method for Testing and Assessing Particle and Chemical Emissions from 3D Printers.”
https://www.shopulstandards.com/ProductDetail.aspx?UniqueKey=36415
UL 200B Guidance for Higher Education Use of 3D Printers
https://chemicalinsights.org/ul-200b-guidance/
State of Washington Department of Health
“Indoor Environmental Quality: 3D Printers in Schools.”
https://doh.wa.gov/public-health-healthcare-providers/environmental-health/school-environmental-health-and-safety/3d-printers
Stephens, B. et al. (2019).
“Ultrafine particle emissions from desktop 3D printers.”
Atmospheric Environment, Vol. 79.
https://doi.org/10.1016/j.atmosenv.2013.06.050
Deng, Y., Cao, S. et al. (2022).
“Health effects of emissions from desktop 3D printers.”
Journal of Toxicology and Environmental Health.
Zhang, Q., Witschger, O., & Fauvel, S. (2023).
“Toxicity of particles from 3D printing processes: a systematic review.”
Environmental Science and Pollution Research.
Prusa Research - Safety Guidelines
https://help.prusa3d.com/
Creality - User Manual and Fire Hazard Recall Notice (2024)
https://creality.com/pages/recall
Bambu Lab – Filtered Enclosure and Emission Control Statements
https://bambulab.com/en/product/ams-and-enclosureRaise3D – Safety and Emissions Disclosure
https://www.raise3d.com/
U.S. Consumer Product Safety Commission
“3D Printers in Schools and Libraries: Safety Considerations.”
https://www.cpsc.gov/
経済産業省/文部科学省 – 高等学校DX教材ガイドライン(2023~)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/3dprint/
