礼に始まり礼に終わる。どうも合氣道初段 SK本舗の広報エリナです。
アイスクリームはバニラとチョコでも良いですが、ホワイトチョコとブラックチョコでもいけます。おすおすっ!

さてさて、我らがSK本舗っ子の皆様は3Dプリンターがお好きな人が多いかと思う。私は実はSK本舗で売っている光造形方式(SLA)が3Dプリンターデビューだったのだが、それより前に熱溶解層(FDM)でデビューを飾った人というのもいるのではないかと思う。実は、FDMを使っていたことで逆にSLAで失敗してしまうという方もいるようなのだ。エレクトーンをやっていた人がピアノを弾こうと思ったら、鍵盤が重くてびっくりしたというのと似たようなギャップだろうか…(ちなみに私はどちらも弾けない)

折角、3Dプリンターが好きで新しいプリンターに挑戦したのに上手くいかない…今回はそんな悲しいことが起こってほしくないという私からの願いを込めて、「3Dプリンターを熱溶解層方式(FDM)から光造形方式(SLA)にした人にありがちな失敗の原因」について書いておこうと思う。

1.FDMとSLAは似たようなものだと思っている

まず1つ目に超重要ポイントを指摘しておく。以降にも関連してくるのでよくよく覚えておいてほしいのだが、実は私はSK本舗の広報を務めるまで「3Dプリンターとは、つまり、ある物体を三次元で出力できるものであって、プリンターの種類の違いは素材の違いくらい」と考えていた。そのように考えている人は他にもいるのではないだろうか。

もちろん、本当のところはそんなことはまるでない。FDMとSLAでは「作品を出力する」というゴールは同じだが、途中の道筋が違うので、実はまったくの別物なのだ。

例えて言うなら、試験で満点を取るという課題があった場合に、その課題に向けて焦るのが苦手なので毎日コツコツ勉強するタイプとプレッシャーがあった方が良いからと一夜漬けで勉強するタイプがいるのと似ている。
どちらも満点を取れれば優等生と言われるだろう。つまり、同じ3Dプリンターでもまるで性格が違うということなのだ。「皆違って皆良い」という言葉を思い出してほしい。

違いの例としては、FDMと違ってSLAは素材(レジン)の種類によって向き不向きがあるということだ。そのプリンターにとって最も適切なレジンを見つけてあげる必要がある。また、FDMとは違う準備も必要だったりする。最も代表的な例としては、レジンを素手で触らないようにするためにゴム手袋が必要ということだ。間違ってレジンに触らないようにするのだぞ。(これについては「レジンの使用にあたって注意すべき七ヶ条」を読んでほしい。大事なことだぞ!)

2.空洞を作らずに出力してしまう

2つ目、SLAなのに空洞を作らずに出力してしまうこと。実はSLAには空洞が必要なのである。

というのもレジンは薄い方が収縮が小さく、表面にひびが入りにくいのだ。マンションだと壁が厚い方が良い気がするが、レジンはそうではないらしい。中を空洞化させることによってレジンの無駄遣いを防ぐことも出来るし知っていて損はないだろう。

3.サポート材をFDMと同じように入れてしまう

3つ目、これはSLAを難しく感じさせてしまう原因のひとつのようだが、サポート材に関して、FDMとSLAを同じものと捉えてしまってはならないのだ。
サポート材はSLAとFDMに共通して必要とされるものではあるが、SLAにおいてFDM全く同じように入れてしまうと失敗してしまうことも多い。特に、サポート材が少ないと失敗するようだ。
うまくいかなかった場合はサポート材の入れ方を工夫してみてほしい。やはり、素材や成形の仕方によって変わる部分もあるのだ。

4.FDMとSLAで同じ出力結果を期待してしまう

4つ目、SLAのレジンはFDMで使用するサーモプラスチックと違って熱や化学物質に強い。しかし出力物はサーモプラスチックよりももろい。
そのため、サーモプラスチックから始めた人はサーモプラスチックの様な強度を期待した結果、出力に失敗してしまうのだ。
これだけ書くと、あたかもレジンよりサーモプラスチックの方が良い、と思われるかもしれないが、サーモプラスチックはレジンよりも熱に敏感だったりと欠点もある
ようするに、それぞれの素材の特性を掴み、上手く使い分ける必要があるのだ。

5.IPAで洗浄すると長持ちすると思ってしまう

5つ目はIPAに関わるものだ。
IPAとは、出力したものに付着している未硬化のレジンを洗浄するために使用するアルコールのことだ。
しかし、これを出力したものを長持ちさせるために浸けると思っている人もいらっしゃるようだ。
正しい使い方としては最大でも15分程度浸けるだけである。それ以上長くIPAに浸けてしまうと、せっかく作った作品の表面が変形してしまったり、ひびが入ってしまうことがあるため気を付けてほしい。
そのほかIPAの使い方については別の記事でまとめたのでそこで確認してほしい。

レジンの使用にあたって注意すべき七ヶ条

6.初期層を利用し忘れる

6つ目は、初期層について。
FDMとSLAでは、出力のされ方が違うというのはお気付きだろうか。具体的にどのように違うのかというと、FDMは上に層が重なっていくのに対し、SLAは下に層が積み重なっていく。つまり、SLAは下に層を重ねるために出来上がった出力物はどんどん上にぶら下がっていくこととなる。そうすると、FDMに慣れていた人には考えられないことが起こるのだ。それは、出力中に作品が落ちてしまうということだ。これは残念ながら失敗だ。
そのような失敗が起きないよう、SLAでは初期層を利用すると良い(イメージは作品の土台だ)。何もないまま出力するのに対し、アタッチメント層が作品とくっついているため、出力中に作品が落ちない確率は格段に下がる。出力に失敗して項垂れる回数も減るだろう。是非お試しあれ。

7.3Dプリンターの設定をあまり調整しないで出力してしまう

7つ目は3Dプリンターの設定について。
ご存知の通り、3Dプリンターには様々な設定を入れる部分がある。これをデフォルトのまま放っておいてしまってはいないだろうか。もちろん、それで出力が上手くいっているのであれば良いが、あまり上手くいっていないという場合は少し触ってみてほしい。3Dプリンターとはあくまでも我々の目的を果たす道具でしかないので「使いこなす」ということを是非目指してみてほしい。
だが、実際はなかなかどのように調整して良いのかわからないということもあると思う。初めは露出度からいじると良いそうだ。露出度だけでなくそのほかの設定も何度が色々試してみて、最終的に上手くいった設定を活かすのが最終的には良いだろう。

8.レジンの使用上の注意を見逃しがち

8つ目、これはレジンに限らず、新しい素材を使用するすべての場合に言えることだが、素材に書かれている使用上の注意をよく読んでから扱ってほしい。これは楽しく安全に3Dプリンターを付き合うコツだ。
レジンについて言及すると、レジンは素手では触ってはいけないといった注意点がある。レジンの使用にあたって注意すべき七ヶ条」ではより詳しく触れているので是非熟読して頭に入れほしい。最悪の場合、アレルギーを引き起こしてしまったりするので扱いには充分気を付けてほしいところだ。特にペットやお子さんがいるおうちでは間違って直接触ってしまわないよう保管場所にも気をつけてほしい。

レジンの使用にあたって注意すべき七ヶ条

9.インターネットの情報を鵜呑みにしてしまう

9つ目はインターネットの情報に関して。
作ってみたい作品があった時、インターネットでデータの数値を取ってきたり3Dプリンターの設定を調べたりすることもあるだろうと思う。しかしそれは必ずしも正しいとは限らないのだ。
ネット上にフェイクニュースが飛び交い、ついにはポストトゥルースなんて言葉も生まれる、世知辛い時代…。中には悪意ある偽情報もあるし、勘違いや誤った記載、自分の持っている3Dプリンターと合わない場合など、様々な心配がある。
この情報社会をしたたかに生きている皆さんは、もしかしたらすでに私などよりはるかに高いリテラシーを身につけられている方もいるだろうと思うが、インターネット上の情報はなるべくしっかり吟味する姿勢を持ってほしい。その記事の根拠となる部分を参考文献まで調べることができたら素晴らしいが、実際はインターネットの検索で済ませたいという思いもあるだろう。まずは別サイトから配信されている同種の記事を2つ以上読んでみるという自衛策から始めるのもありだ。私も3Dプリンターに関わらず調べ物をする時はそうしている。
この記事を読んで気になる部分があったら、早速他の記事でも言及していないか、相反することが書かれている記事がないかなど、チェックしてみるといいだろう!

まとめ

何事もそうだが、楽しく何かを行うには正しく理解する必要がある。FDM、SLAはそれぞれ特徴があるので、それを理解した上で使い分けてみると作品の幅もグッと広がることだろう。
合氣道もただ身体を動かすだけでなく、何故その動きをすると人が倒れるのかなど原理を理解しながら稽古すると、格段に上達が早まるものだ。折角やるなら楽しく、かつ合理的にやりたいではないか!!

以上、広報エリナでした!おすおすっ!