シリーズ・広報エリナの3Dプリンター道場・白帯初級編 第二講「3Dプリンターにはどんな種類があるのか?」

礼に始まり礼に終わる。どうも合氣道初段、SK本舗の広報エリナです。
友情・努力・勝利を認めますが、奇跡の勝利も許します。運も実力のうち!おすおすっ!

さて、3Dプリンターにはいくつか種類があるのはご存知だろうか。

主に製造方式(プリントアウトのされ方)によって大きく以下の3タイプに分けられる。(くさ、みず、ほのおの3種類ではない。ちなみに私は毎回みずタイプをもらう派だ。©️ポケットモンスター)

・素材射出成形タイプ
・光重合タイプ
・粉末固着積層タイプ

ここから更に、それぞれのタイプの中でも様々な種類に分かれたり、また新しい技術も生まれており、また今後もますます増えていくことが予想される。うーん、複雑だ。

そこでこの第二講では、現時点で知っておいた方がよいだろう種類を今回は取り上げようと思う。

①素材射出成形タイプ(FDM)

現在出回っている3Dプリンターの多くがこの素材射出成形タイプである。FDM(熱溶解層:Fused Deposition Modeling)と呼ばれることもあるが、その名の通り、素材を溶かして噴射して積み重なることによって成形する。素材がデータの通りに1層ずつ噴射されて急速に固まり…ということを何度も繰り返して形となる。イメージとしては体積を求める考え方と同じで、厚さを持たない正方形が何個も積み重なると立方体となる、というのと同じだ。ここでいう正方形が層のことである。

この方法の特徴としては、様々な素材で成形することが出来るという点である。最も多いのはサーモプラスチック(熱可塑性樹脂)と呼ばれる熱で溶けるプラスチックだが、チョコレートや金属などでも成形することが出来る。いつか3Dプリンターのモデリングが授業のカリキュラムに入り、バレンタインに3Dプリンターで凝ったチョコレートを作る将来が来るかもしれない(義理チョコの大量生産に向いていそうだ…)。また、技術的に進んでいる方法のため、価格がその他のタイプよりも比較的安価で手に入れられるという点もある。

但し注意点があり、他のタイプと比べて表面がでこぼこしやすいという特徴がある。この凹凸は層が何層も重なる際にできてしまうものであり、精度が高いプリンターでも成形後に表面をやすりなどで磨いて滑らかにするのが一般的だ。また、造形物によっては部位の冷却ペースが異なり、出力中に形がゆがんだり縮んでしまうという特徴もあるようなので作成する際は要注意だ。

②光重合タイプ

まずこのタイプの読み方をご存知だろうか。ヒカリジュウゴウと言い、化学で使用する単語である。重合の意味をGoogle先生にお尋ねしたところ、「一種類またはそれ以上の単位物質の分子が、二つ以上化学的に結合して、もとのものより分子量の大きい化合物をつくること」とのこと。つまり、光重合とは、光によって1種類またはそれ以上の分子がくっつくことをいうのだ。そのため、光重合タイプでは紫外線などの光に当たると硬化する光硬化樹脂(フォトポリマー)が使用される。

このタイプで最初に作られ、今まさに3Dプリンターの主流となっているのが「光造形」と呼ばれる技術である。液状の光硬化樹脂がたまっているところにコンピューター制御されたレーザーが照射されることにより、樹脂が硬化して層が出来上がる。そしてまたこの層を少し覆うように液体の樹脂が流れ込み、レーザーが照射され…ということが繰り返されて成形されていく。出力が終わったら最後に造形物を溶剤に浸けて洗浄し、完成となる。

この光重合タイプの特徴としては、非常に精密で表面を滑らかにすることが出来る点である。しかし、高性能ゆえにプリンターが高価で、それだけでなく光硬化樹脂もサーモプラスチックに比べてかなり高いのが欠点だ。
ちなみに弊社SK本舗で取り扱っているのはこのタイプで、中でも価格、性能が優れているのがPhrozen Shuffleなのだ。

③粉末固着積層タイプ

最後に紹介するのが粉末固着積層タイプだ。このタイプは名前の通り、かなり細かい粉末を何らかの方法で固めながら層を形成して積み重ねていく方式だ。プラスチックや金属などが素材としては一般的なようだ。

この粉末を固める方法は2通りあり、1つ目は接着剤や結合剤(バインダーと言うらしい)を噴射して粉末を固める方法だ。結合剤噴射積層と言い、業務用の3Dプリンターの方法として広く普及している。この方法では、結合剤と一緒にインクを噴射することが出来る。従って、素材射出成形タイプ(FDM)や光重合タイプでは色付けられずセンスを問われるのが悩みどころだが、この方法であれば2Dのプリンターと一緒でシアン、マゼンタ、イエロー、黒のインクでフルカラー印刷が可能だ。高価なプリンターになると39万色も表現可能らしい。単純にすごい。

ただし、この方法は粉末として使用する素材によってはかなり脆くなってしまうという欠点もある。素材によっては大きなものは印刷出来ず、小さめが良いとのことだ。しかし、大体この方法をとった場合は後処理として「浸透処理」と呼ばれる造形物をブラッシングし、化学物質でコーティングする処理を行うので、この化学物質を選べば強度を少し上げることが出来る。

2つ目の方法は粉末に熱を与えて溶かし、固める方法である。一般的に粉末溶解積層と呼ばれる。この方法は、粉末を広げたところにレーザーなどで指定した形で熱を当てるとその通りに粉末が固まるので、それを繰り返して成形する。この方法は現在注目を集め始めた技術で、人命を預かりミスが許されない航空宇宙産業の部品作りにも活用され始めている。理由としては、レーザーの照射によって指定した形に成形できるため精密な造形が可能であること、造形方法の特徴から造形物の内部を中空にしたり格子状にすることが出来るため強度と軽量化を同時に実現可能であることが挙げられる。

ただ、金属の融点が高いのは十分皆様もご存知かと思うが、素材によっては溶けにくいというのが難点だ。それを解決するために造形スペースを予め熱し、素材の融点の直前まで上げておく必要があるのだ。製鉄所は一度温度が下がるとあげるまでに時間がかかるため24時間ずっと稼働しているという話を聞いたことがあるが、ようするに金属の融点まで上げるというのはかなり大変なことなのである。非常に高温な状態になっても耐えられる機器、または非常に高温になるレーザーを出せる機器である必要があるだろう。

まとめ

ふぅ、以上が3Dプリンターの大まかな種類の説明だ。熱の話をしていたら説明の方にも熱が入ってしまった…。

説明はかなりかみ砕いたつもりだが、それでも3Dプリンターがあまり普及していない現在では想像するのが難しいのではないかと思う。なかなか、「ふむふむ」とはならないだろう。今後、3Dプリンターを初めて使ってみよう、新しい3Dプリンターに挑戦してみよう、と思ったときに、私、広報エリナがなんか言っていたな~~とこの記事を見返してもらい、あとは画像や動画で検索頂くとより理解が深まるのではないかと考えている。

現在主流となっているのは紹介した3つだが、もっと他の方法を知りたいという意見があればどしどし意見を送ってほしい(ツイッターでも受け付けている)。精一杯勉強して皆さんに紹介します!