礼に始まり礼に終わる。どうも、合氣道初段、SK広報のエリナです、おすおすっ!

さてさて、SK本舗でも取り扱いの3Dプリンターの種類が増え、そして低価格化が進んでいる中、3Dプリンターデビューをした皆さまおめでとうございます!SK本舗で買うのが初めてですよ~というお客様ではなく、本当に初めて3Dプリンター自体を買いましたという方も最近は多くなってきたのではないかなと日々感じている。

前回はまず最初の手順として、3Dプリンターのセッティングから片付けの流れを説明したが、今度は少し踏み込んでパラメーター設定に触れてみたい と思う。今回も重要なことなので、心して読んで欲しい!

 

「3Dプリンターを購入して実際に使ってみよう! 〜購入からセットアップまで〜 」広報エリナの3Dプリンター道場・第七講(前編)

 

 

そもそもパラメーターとは何か

そもそもパラメーターとは何ですか、という話だが、3Dプリンター界では出力する際に調整する下記の様な画面の数値のことを言う。

 

 

各項目は後程説明するが、このパラメーターの数値次第で、出力が成功したり失敗したり、自分の理想の出力に近づいたり遠ざかったりする要因の一つとなる 。各項目をきちんと理解して自分できちんと調整できるようになっておいて損はない。是非ともチャレンジして欲しいところだ。

それぞれのスライサーソフト(※)で微妙に異なる項目もあるかと思うが、前回に引き続きSonic Miniに対応しているCHITUBOXで説明したい。その他のプリンターを使用して項目名が異なる場合には、この記事を読んでどれに当てはまるか察しながらやって頂きたい。(雑)

※スライサーソフトについては以下の記事を参照して欲しい!

 

「スライサーソフトってなに?」今さら聞けないGコードの重要性と今おすすめのスライサーソフト

 

 

各パラメーターを理解する前に…初期層と通常層について

まずはパラメーターの各項目についてを説明する前に、初期層と通常層の違いを説明したい。なぜかというと、項目が初期層と通常層で異なるからである。ここを理解しておかないと、初期層のつもりで設定していたら通常層の設定だった…など混乱の元となりかねないので気を付けよう。

さて、初期層と通常層の違いだが、これは簡単に説明すると、初期層とは出力し始めのプラットフォームにくっつく部分の層のこと、通常層とは出力物を形成する層のことである。初期層がまずくっつかないとそもそも出力物が出来ないので、まずはここの設定をしっかりすることが必要だ。写真でいうと以下の通りである。

 

 

実際はこのSKドラゴンの上下が逆になって出力されていたのだが、下の平らな部分が初期層としてプラットフォームにくっついていた部分である。

因みに私はそもそも初期層がくっつかないという悲しい失敗を何度もしている。皆さんは私の二の舞にならぬようちゃんと設定しましょう!

では続いて、初期層と通常層の違いが分かったところで早速パラメーターの項目を見ていきたい。

 

 

それぞれの項目名を理解しよう

さて、こちらが実際のパラメーターの設定画面である。初めて3Dプリンターを使用する人からすると見慣れない言葉ばかりだ。早速、それぞれの意味を見ていこう。

 

 

①レイヤーの高さ

レイヤーとはlayerのこと。つまりこれは1層の高さのことをいう。すなわちZ軸方面のことだな。0.05mmが一般的の様だ。レイヤーが細かいほど出力物の出来上がりが滑らかで短い露光時間になるぞ。

 

②初期層の数

名前の通り、初期層を何層作るかということだ。先程説明した通り、プラットフォームにくっつくための層は何層作るかということだが、少なすぎるとプラットフォームに定着せず、多すぎてもレジンの無駄となってしまう。通常は6層からはじめ、定着しない場合は増やしてみてほしい。

 

③露光時間

通常層1層につき紫外線を何秒当てるか」という意味で、露光時間が長過ぎると造形物が太り、短過ぎると痩せる。ちなみに「太る」とは出力物が大きくなること、「痩せる」とは小さくなることだ。たとえば露光時間を長くしたことで造形物が太りすぎてしまうと細かいデザインを出力予定だったのに潰れてしまいかねない。一方、露光時間が短すぎても、そもそも硬化に充分な紫外線量に至らず出力の失敗(出力物が形成されない原因)となってしまう。自分の用途にあった数値を見つけてほしい。

基本的に初めての方はまず長めに設定して試しに出力し、そこから細かいディテールが出力されるよう短い露光時間に調整していく方がやりやすいぞ。

 

④初期層の露光時間

これは「初期層1層につき紫外線を何秒当てるか」ということで、初期の露光時間は通常の露光時間より長く紫外線を照射するのが基本だ。短すぎるとプラットフォームにきちんと定着せず、出力中に出力物の重さで落ちてしまう可能性がある。逆に長すぎると定着しすぎてプラットフォームから出力物が剥がしにくくなってしまうので良い塩梅が必要だ。

 

⑤消灯遅延時間

通常層で次の層への移動時までにLEDライトが消えて次につくまでのタイミングを決めるための項目だ。遅くすればするほど照射と照射の間が長くなり出力が遅くなる。

 

⑥初期層消灯遅延時間

初期層で次の層への移動時までにLEDライトが消えて次につくまでのタイミングを決めるための項目だ。遅くすればするほど照射と照射の間が長くなり出力が遅くなる。

 

正直⑤、⑥に関してはまず0秒で良いようだ。また玄人の方でもいじる方は少ないとのこと。この項目は粘性が高く流動性が低いレジンを使用する際に、プラットフォームが降りてきてもレジンがまだきちんと流入していないまま照射すると出力の失敗の原因となるため、そういうケースにおいては遅らせる場合があるようだ。また、1層ごとに発生する硬化熱やLEDライトの熱を冷ますなどの理由でいじる方もいらっしゃるようだが、初心者の皆さんは基本的にいじらない方向でOKだぞ。

 

⑦初期層のリフト距離

初期層を出力している間、次の層へ移動する前に一度プラットフォームが上昇する高さのことだ。通常5mmであれば問題ないが、透明系のレジンの場合は8-10mmにするとサポート周りの太りが改善する場合がある。また、FEPが弛んでいるとこのリフト距離がないと出力物が剥がれ切れずに失敗する場合もあるぞ!

 

⑧リフト高さ

通常層を出力している間、次の層へ移動する前に一度プラットフォームが上昇する高さのことだ。通常5mmであれば問題ないが、透明系のレジンの場合は8-10mmにするとサポート周りの太りが改善する場合がある。FEPに関しても⑦と同様だ。

 

ちなみにこの⑦と⑧のリフトの高さについて、3Dプリンター道場のファンであればどこかで聞いたことはないだろうか…そう、露光漏れの時に実は触れた話題なのである!

 

 

広報エリナの3Dプリンター道場・白帯中級編 第六講「サポート材周りのデザイン潰れの原因は“露光漏れ”かも!?」

 

詳しくは記事を読んでほしいが、露光漏れにより未硬化のレジンの粘性が上がってしまって出力物が太ってしまう…という場合にはこのリフトの高さをあげると良いのだが、そこで調整する数値というのがこの⑧なのである。(何故粘性が上がった場合にリフトの高さをあげると良いのかの理由については是非この記事を読んで確認しよう☆☆)

 

⑨初期上昇速度

初期層を出力している間、次の層へ移動する時のプラットフォームの上昇速度こと。通常80~120付近を推奨しており、80から始めて造形物が荒れたりVATにごみが残る場合は下げていくと良いだろう。出力を早くしたい場合は数値を10上げるなどの調整をしてみよう。

 

⑩上昇速度

通常層を出力している間、次の層へ移動する時のプラットフォームの上昇速度こと。通常80~120付近を推奨しており、80から始めて造形物が荒れたりVATにごみが残る場合は下げていくと良いだろう。出力を早くしたい場合は数値を10上げるなどの調整をしてみよう。

 

⑪リトラクト速度

出力している間、次の層へ移動する時のプラットフォームの下降速度のこと。通常80~120付近を推奨しており、80から始めて造形物が荒れたりVATにごみが残る場合は下げていくと良いだろう。出力を早くしたい場合は数値を10上げるなどの調整をしてみよう。

 

⑨、⑩、⑪について初心者の場合は全部デフォルトかつ同じ数値で全く問題ないぞ。

 

こうしてみるとそれぞれの項目にきちんと意味がある のだなぁと思う。是非、この記事を参考にして、これらの項目をマスターして素晴らしい作品を作ってくれたなら嬉しい。私も「このデータはこの数値が一番綺麗に出せるんだよね~」とシャッフルたんにさも当然のように言ってみたいものだ。むふふ。

以上、3Dプリンターのパラメーターについて広報エリナでした!