3Dファイルのデータ形式とは何か?

ミステリーマン
ミステリーマン

広報エリナ
今回はちょっと3Dデータのファイル形式について話そうと思うんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

ファイル形式? なにそれ?
シャッフルたん

広報エリナ
全く相変わらず勉強不足だなあ。3Dプリンターで何かを出力する時には何が必要だと思う?

ミステリーマン
ミステリーマン

んーと、出力するためのモデリングのデータ。あ、それのことか!
シャッフルたん

広報エリナ
そう。その3Dモデリングデータにはそれぞれ形式があって、いくつかの種類があるんだよ。

ミステリーマン
ミステリーマン

へ~、そうなんだ。普通の2次元の画像データのjpegとかepsとかみたいなこと?
シャッフルたん

広報エリナ
うむ。しばしば「拡張子」とも言われるな。3Dデータにおいても、このファイル形式、拡張子に様々な種類があるんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

なるほどぉ~。どんな種類があるの?
シャッフルたん

広報エリナ
すでに挙げればキリがないくらいあるぞ。VRML、AMF、X3D、FBX、IGES、STEP、iges、stl、obj、3ds、wrl、fbx、ply、3MF……

ミステリーマン
ミステリーマン

うおお、色々あるんだねえ!
シャッフルたん

広報エリナ
そうなんだ。それぞれの形式にいいところ、悪いところがある。あるいはどんなデータを作れるかというポイントもガラッと変わってくるんだ。今回は中でも現在、そしてこれから最も注目すべき、4つのファイル形式について紹介しようと思う。

ミステリーマン
ミステリーマン

やった~!
シャッフルたん

なぜデータ形式が様々あるのか?

広報エリナ
と、その前に、そもそもなぜデータ形式が様々あるのか、少しだけ解説しておこう。

ミステリーマン
ミステリーマン

あ、確かに。別に一つだけでも良さそうなものなのに。
シャッフルたん

広報エリナ
3DデータにはCADモデルからプリンターへと送られる情報が格納されているわけだが、ここまでは分かるよな?

ミステリーマン
ミステリーマン

うん、CADっていうのは、モデリングソフトだよね。つまり、CADで作った3Dデータの情報を3Dプリンターに送ることで、初めて出力が始まるってことでしょ。
シャッフルたん

広報エリナ
うむ、その通り。ただ、それらの3Dデータには、すべての種類の情報が保持できているわけではないんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

すべての種類の情報?
シャッフルたん

広報エリナ
たとえば、単一の素材、単一の色で印刷する場合と、複数の素材、複数の色で印刷する場合とでは、情報の種類や量が違うだろう? あるいは、より複雑で精密なミクロレベルまでこだわったデータを作ろうとすれば、情報量だって普通のデータより圧倒的に多くなる。

ミステリーマン
ミステリーマン

うんうん。
シャッフルたん

広報エリナ
それぞれのデータ形式には強みと弱みがあってな、たとえば単一マテリアルの割と単純な構造のデータを得意としているデータ形式があれば、逆に複数マテリアルの複雑な構造のデータを得意としているデータ形式もあるんだよ。

ミステリーマン
ミステリーマン

ふ~む。でもさ、複雑なことができるデータ形式なら、単純なこともできそうなものだけど。
シャッフルたん

広報エリナ
理屈としてはそう。ただ、複雑なデータに対応するために、仕組み自体が複雑化してしまったりもするんだ。ようするにデータ制作の難易度が全体的にあがってしまったり、あるいはデータ自体が脆くなってしまったりもするんだよ。

ミステリーマン
ミステリーマン

なるほど~。単純だけど制作が簡単で頑丈か、複雑だけど制作が難解で繊細か、みたいな差かぁ。
シャッフルたん

広報エリナ
大きく言うとな。あと、これは外部要素的な話になるが、いかに優秀なデータ形式であっても、CADソフトウェアにサポートされていないと、結局、使われないし、使いにくいという問題もある。形式に合わせてソフトウェアを買い換える必要があったり、あるいはデータを他の人とやりとりする上でも、あまり普及していないデータ形式の場合、対応が難しかったりもするんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

分かる~。音声データとかもそうだよね。なんか開けない形式のやつとかあるもん。ああいうの、いかに音質が良くても困っちゃう。
シャッフルたん

広報エリナ
うむ、だから今回は、そうした普及度、あるいは普及可能性なども加味しつつ、現在、そして近い将来において3Dプリント業界で活躍するだろう4つの形式を紹介したいんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

理解しました! よろしく頼んだぁ~!
シャッフルたん

3Dデータ形式のJPEG的存在「STL」

広報エリナ
さて、最も注目すべき4つのファイル形式の1つめから紹介しよう。それは……「STL」だ!

ミステリーマン
ミステリーマン

あ、それは私でも聞いたことある!
シャッフルたん

広報エリナ
そうだろう。普及度はダントツ1位、3Dデータ形式のJPEG的存在、それが「STL」だ。おそらくSK本舗のユーザーさんの間でも、この「STL」を主に使用しているという方が多いんじゃないだろうか。

ミステリーマン
ミステリーマン

JPEG的存在、それはすごい!
シャッフルたん

広報エリナ
なんせ歴史が長い。開発したのはChuck Hullさんという人で、1987年に3Dシステムズで最初の3Dプリンターを開発した、この業界の立役者の一人なんだ。彼が同時に「STL」という形式を作り、以来、30年間、3Dプリント業界のスタンダードであり続けてる。

ミステリーマン
ミステリーマン

30年! でもそんな長いこと、アップデートされてないことにも驚く。
シャッフルたん

広報エリナ
そうなんだ。実際、「STL」限界説というのは、ずっと囁かれてる。「STL」の基本的な仕様は初期のままなんだが、一方の3Dプリンターは日増しに進化しているからな。ただ、それにもかかわらず、今日のほとんどの3Dプリンティングにおいては未だ、ソフトウェアにおいて圧倒的なサポートを受けているこの「STL」を使用し続けているんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

なるほど。さっき話していた普及度の問題だね。「STL」は抜群に普及してるから、どんなCADでも対応がきくし、兌換性も高い、と。
シャッフルたん

広報エリナ
うむ。あとは使いやすさだな。「STL」はテッセレーションと呼ばれるとても単純なアプローチで3Dモデルのジオメトリを保存している。それは制作を簡易化している反面、ミクロンレベルの精度には対応がしきれない。

ミステリーマン
ミステリーマン

使いやすさと精密度、ここがトレードオフになってるのね。うーん、悩ましい。
シャッフルたん

広報エリナ
あともう一つ、「STL」には大きな問題がある。今後、3Dプリント業界ではおそらくマルチカラー化が進行していくと予測されているが、「STL」形式においてはこの色情報を保存することができない。つまり、単色プリントにしか対応してないんだよ。

ミステリーマン
ミステリーマン

それは痛い! つまり、白黒テレビってことだよね。カラーテレビが一般化したら…確実に廃れる。
シャッフルたん

広報エリナ
ああ。そうなんだ。ただ、とはいえ、この先5年くらいはまだ「STL」のシェアは大きなものであり続けるだろうとも予測されてる。その後はちょっと厳しいだろうけどな。

ミステリーマン
ミステリーマン

余命5年かぁ。
シャッフルたん

広報エリナ
うむ、すると気になるのは、次世代の3Dデータ形式の王者はどれなのか、ということ。その可能性を秘めた3つの形式の紹介に移ろう。

色情報も素材情報も保存可能な「OBJ」

広報エリナ
次の時代の覇権的拡張子の候補として、まず一つ目は「OBJ」だ。

ミステリーマン
ミステリーマン

聞いたことない!
シャッフルたん

広報エリナ
そうだろう。この「OBJ」が「STL」に対してもつ強み、それはなんといっても複数の色や素材を使用したデータを保存できるということなんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

おお! それは強い!
シャッフルたん

広報エリナ
うむ、さっきも言った通り、今後、3Dプリント業界のマルチマテリアル化、マルチカラー化は絶対だからな。ただ、同じような属性を持った形式を持った拡張子は他にも存在する。その中で、「OBJ」が目立っているのはオープンソースライセンスと、シンプルさの二つなんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

オープンソースにしたことでCADメーカーが取り入れやすくなったってこと?
シャッフルたん

広報エリナ
そう。ライバルだったFBXやCOLLADAといった形式に対して、「OBJ」はその点で差をつけれたってことだ。またその性能の高さから、航空宇宙産業や自動車産業ではすでに広く使用されている。

ミステリーマン
ミステリーマン

おお、すると、「OBJ」が次代の王者筆頭だね!
シャッフルたん

広報エリナ
しかし…欠点もある。

ミステリーマン
ミステリーマン

!?
シャッフルたん

広報エリナ
やはり「STL」に比べるとデータ自体がかなり複雑なんだ。壊れたOBJファイルを修復すると問題が発生しやすいし、修復や編集のためのオンラインツールも少ない。現状ではやはりサポートしているCADも足りていないため、使うためにはプラグインを使用する必要があったりと、厄介なんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

そっかぁ…弱みもあるんだね。
シャッフルたん

広報エリナ
ああ、今後どうなるかはわからないがな。ただ、「OBJ」にはまだとてつもないライバルたちがいるんだ。次で紹介しよう。

ミステリーマン
ミステリーマン

なんか展開が少年漫画じみてきたぞ。
シャッフルたん

 

「STL2.0」と呼ばれた「AMF」の美点と難点

広報エリナ
さて、次なる覇権候補の二つ目は「AMF」だ。2011年に導入されたデータ形式で、当時は「STL2.0」なんて呼ばれてもいた。

ミステリーマン
ミステリーマン

「STL2.0」!? すごい期待のされ方。
シャッフルたん

広報エリナ
うむ。「AMF」はそもそもの開発目的が「STL」の欠点に対処するというところからスタートしているからな。処理速度の遅さ、エラーのおおさ、カラーやマテリアル情報が保存できない点、などなど、こうした諸問題を全て解決する形で発表されたんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

正統な後継者っぽい!
シャッフルたん

広報エリナ
ああ、実際に全ての技術的な面で「STL」よりも優れていて、まさに大規模アップデートを果たした感じなんだよ。

ミステリーマン
ミステリーマン

なんか次の覇権は「AMF」で決まりな感じがしちゃう。だって、色や素材もカバーしてて、他の面でも「STL」より優秀なんでしょ?
シャッフルたん

広報エリナ
うむ。しかし…だ。「AMF」の失敗は、その性能じゃなく、展開にあったんだ。技術的には優れているのだが、2011年のタイミングでは、まだマルチカラーやマルチ素材の必要性も薄く、「STL」で十分という雰囲気が強かった。それゆえ、各種ソフトウェアは「AMF」の採用に消極的だった。結果、これだけのハイクオリティな形式にもかかわらず、出遅れてしまったんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

なるほどぉ……、でも、今から導入するのだって遅くはないんじゃない?
シャッフルたん

広報エリナ
それがまた厄介な話で、ここに第三の次世代覇権候補が登場するんだ。その名も「3MF」だ。

ミステリーマン
ミステリーマン

最終キャラの登場? どういうこと~?
シャッフルたん

マイクロソフトの最終兵器「3MF」

広報エリナ
「3MF」を開発したのは、何を隠そう、あのマイクロソフトなんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

でた、巨大資本!
シャッフルたん

広報エリナ
うむ。「3MF」は「AMF」とは異なり、その開発を少数の専門家に委ねるのではなく、業界のビッグネームたちをごそっと巻き込んで、大きなコンソーシアムを設立する形で行ったんだが、その結果、業界の関心は一気に「3MF」に向かっていったんだよ。

ミステリーマン
ミステリーマン

なるほどぉ。大きなお祭りをぶち上げて話題をかっさらったんだね。
シャッフルたん

広報エリナ
そうそう。開発段階で3Dプリント業界の主要業界を巻き込んでいたからね。当然、採用も早い。現状ではまだ十分い広がってないが時間の問題だ。そしてもちろん、トップ技術者たちが開発したものだから、性能も優れてる。

ミステリーマン
ミステリーマン

すると、次世代のファイル形式は3MFで決まりなのかな。
シャッフルたん

広報エリナ
まあ、分からない。マイクロソフト社には権利問題などで悪い噂もある。ただ、現状では一馬身抜けてる感じはあるな。

ミステリーマン
ミステリーマン

今日のお話を要約すると、「STL」帝国があと5年でおそらく崩壊して、「OBJ」「AMF」「3MF」の三國時代による戦国の世がやってくるってことだね。うう、どこに賭けようかなあ。
シャッフルたん

広報エリナ
いや、まあそこは好きなのを好きな時に使いわければいいと思うけどな。

ミステリーマン
ミステリーマン

何よ~!今、熱い気持ちになってたのにぃ。私、『キングダム』とか大好きなんだから!
シャッフルたん

広報エリナ
まあ、『キングダム』は面白いからな。それでいうと、今日あげた三國以外にも、小さなダークホース的拡張子はまだまだ存在するんだぞ。ただ、やっぱり現状では少数派にとどまるだろうと言われてるな。

ミステリーマン
ミステリーマン

そっかぁ、でも勉強になったな!
シャッフルたん

広報エリナ
うんうん。皆さんももしかしたら早めに脱「STL」の準備を進めておいた方がいいのかもしれんぞ。というわけで、以上、広報エリナでした!

 

 

(参照記事)
https://all3dp.com/1/3d-printer-file-format/