原子炉を3Dプリンターで出力する時代

ミステリーマン
ミステリーマン

広報エリナ
さて緊急事態宣言も延長し、基本ステイホームの暮らしが継続中ではあるが、3Dプリンター世界では今日も色々と起こっている!

ミステリーマン
ミステリーマン

どんなことが起こってるのかな、楽しみ!
シャッフルたん

広報エリナ

今回、紹介したいニュースはこちらだ。

 

アメリカのオークリッジ国立研究所が3Dプリンターで出力する原子炉を研究開発
https://gigazine.net/news/20200513-3d-printed-nuclear-reactor/

 

これまで様々なものを3D出力してきた3Dプリンターだが、なんと原子炉まで3Dプリントする時代になったんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

な、な、なんと!
シャッフルたん

広報エリナ
アメリカでは電力供給の約20%が原子力発電によって提供されているんだ。現状では小型大出力で比較的に安価に建設可能な軽水炉(※)というものが主に採用されているんだが、ライセンスの問題などから2055年までに廃止される可能性があるそうで、現在それに代わる原子炉の開発が求められてるそうなんだよ。

 

※ちなみに軽水炉とは世界で最も多く採用されており日本でも採用されている原子炉のことで、冷却材に軽水(普通の水)を使用するから軽水炉と言われている。その他ガス炉、重水炉などがあるぞ!

 

ミステリーマン
ミステリーマン

そこで3Dプリンターが一役買いつつあるってわけだね。
シャッフルたん

広報エリナ
うむ。オークリッジ国立研究所はアメリカのエネルギー省の管轄下で、原子炉研究をはじめとする様々なプロジェクトを推し進めてきたんだ。今回のこのプロジェクトは「Transformational Challenge Reactor(TCR)」と呼ばれていて、以下の動画で実際に炉心を3Dプリントする様子を見ることができる。

 

 

ミステリーマン
ミステリーマン

うわー、近未来的! ターミネーターの世界みたいだ!ででんでんででん!
シャッフルたん

広報エリナ
TCRで開発される原子炉では従来より少ない燃料量で臨界状態を維持できることになるとのことで、現在、商用化に向けて広範なテストが実施されているとのことだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

3Dプリンターを導入することで省エネにもなるんだね!
シャッフルたん

広報エリナ
ちなみに、出力された炉心はこんな感じだ。研究者によれば、「今後、最適で信頼性の高いエネルギーシステムを保証するために、選定された設計とプロセスの改良に注力していく」らしい。

 

 

脱原発は可能なの? エネルギー問題を考えてみる

ミステリーマン
ミステリーマン

でもでも、福島の原発事故を経験した日本としては、やっぱり原子力発電には怖さを感じるなぁ。
シャッフルたん

広報エリナ
そうだな。これは非常に繊細な問題だね。原発推進派、反対派ともに主張があり、あの事故から9年経つというのに、議論は平行線のままだ。

 

 

ミステリーマン
ミステリーマン

具体的にはどういう議論なの?
シャッフルたん

広報エリナ
まずコストとベネフィットの問題がある。1億人以上の人口が、電気を今のような形で使用した文明的な暮らしを行う上では、原発を用いることが最もコスパが高いと言われている。ただ一方では、そうしたコストとベネフィットの問題を超えた感情的な反発もある。福島の事故によって、日本人は原発の恐ろしさをまざまざと痛感させられたしな。

ミステリーマン
ミステリーマン

ふーむ。お得なのは原発だけど、リスクもあるってことだよね。で、そのリスクがとんでもなく大きい。
シャッフルたん

 

 

広報エリナ
ああ。だから、これは経済の問題でもあり、文明の問題でもあるんだ。今後とも真剣に議論され続けていくべきテーマなんだと思う。

ミステリーマン
ミステリーマン

火力発電に依存することによる環境負荷の問題もあるしね…。
シャッフルたん

広報エリナ
そうなんだ。実際、現在の日本の電力の80%は火力発電に依存している。これには炭素排出による温暖化の問題もある(※)し、さらには化石燃料に依存した発電方法でもあるため、化石燃料を持たない日本ではエネルギー自給率が非常に低くなってしまうという危険もある。

 

※現在、二酸化炭素排出量の少ない石炭ガス化技術も開発が進んでおり、こうした技術開発には期待したいところだ!

 

ミステリーマン
ミステリーマン

その他の代替エネルギーや再生可能エネルギーはどうなの?
シャッフルたん

広報エリナ
こちらについては様々な見解があるな。太陽光、地熱、風力、水力、バイオマスなどなど、様々な再生可能エネルギーの普及が目下、取り組まれている。ただ供給面においては、十分な熱量確保は現状では難しいという見解が多く、また導入時の設備コストが高いなどの問題もあって、全面化という点では難しさを抱えているようだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

うーん、どの道にも困難さがあるんだね。
シャッフルたん

広報エリナ
やはり、膨大な国家予算をつぎ込み、産業の発展に寄与してきたエネルギー政策を転換するということはとても難しいんだ。原子力の次を担う発電効率の優れたエネルギー代替案が出てこない限り、原子力と火力にある程度依存せざるを得ないというのが現状なのかもしれない。

ミステリーマン
ミステリーマン

でもやっぱり原子力発電は怖いなあ。原発をゼロにすることは出来ないのかな?
シャッフルたん

広報エリナ

それを今すぐ本気で目指す上では、まずライフスタイルそのものの抜本的な見直しが必要になるだろう。極端な話、人口が多すぎるという問題も考えなきゃいけない。ただ、私たちがこの文明的な暮らしを捨てられるかと言ったら、それほど簡単なことじゃないと思うんだ。

 

ただ、識者によっては2050年頃までには脱原発が可能となるという見立てを示している人もいる。その上でも、0か100か、つまり、即時ゼロか再稼働か、といった両極端な議論じゃない建設的な考え方が必要だとの見解もあるぞ。

ミステリーマン
ミステリーマン

極端じゃない建設的な議論ってどういう議論なの?
シャッフルたん

広報エリナ
そうだな。一例を挙げれば東京理科大学の教授である橘川武郎さんは、依存度を下げながらリプレース(原子炉の建て替え)をすることが危険性を最小化する観点からも責任ある原子力政策だ、と述べていたりする。あるいは、一番の問題である放射性廃棄物の有害性を低減し、逆に資源化する「核種変換」という技術の開発にも触れていて、この核種変換の技術革新ができるなら原発継続、できないなら2050年までに廃炉という、リアルなプランも提案しているぞ。

 

 

ミステリーマン
ミステリーマン

たしかに、怖いから嫌だっていうだけだと「じゃあ日々の電気をどうするの」ってなるもんね…。
シャッフルたん

広報エリナ
怖いから嫌だという気持ちそのものは大事だと思うんだ。ただ、そこから何が可能かを建設的に考えていくことが必要なんだと思う。エアコンのかかった明るい部屋でテレビを見ながらお風呂の給湯スイッチを押している生活を送りながら「原発は怖いからゼロにしよう!」と言っても、それだけだとやっぱり説得力がないしね。もちろん、そうした暮らしが悪いというわけじゃない。3.11では計画停電を経験した方もいらっしゃると思うが、実際に私達の暮らしがいかに電力に依存しているかを理解しておくということが大事なんだと思う。

ミステリーマン
ミステリーマン

多角的に見直しながら、現実的に前に進んでいくことが大事だよね! みんな、安全で快適な暮らしを望んでいることには変わりないんだから!
シャッフルたん

広報エリナ
うむ、そこにサステナブル(持続可能)かどうかという観点が加わったのが現代ってところだな。ネイティブアメリカンの教えに「七代先の子孫のことを思って生きよう」というものがあるが、私たちは私たちの生きる時代だけではなく、未来に対しても責任がある。明日のために今日を犠牲にする必要はないが、今日のために明日を犠牲にすることも、また違うと思うんだ。

 

 

ミステリーマン
ミステリーマン

七代先かあ、想像もできないや!
シャッフルたん

広報エリナ
あはは。そう簡単じゃないよな(笑)。ただ、たとえば化石燃料なんかでも、私たち現代人が1日で消費する化石燃料は、およそ二万年という時間をかけて蓄積された化石燃料なんだ。当然、このままじゃ確実に底を尽きる。

 

 

ミステリーマン
ミステリーマン

20000年かけて作られたものを1日で使い切っちゃう、それも毎日同じペースでって、考えるととんでもないね!
シャッフルたん

広報エリナ
ああ。だからこそ、技術革新が求められてる。今は危ない技術が、何らかの技術革新によって危なくない技術に変わることもありうるんだ。3Dプリンターがそうしたパブリックセーフティーにおいて活躍してくれることを願っているぞ!