1.私たちはパンデミック後の世界を生きている

ミステリーマン
ミステリーマン

広報エリナ
いよいよ新型コロナウイルスのパンデミックが深刻な状況になってきているな。

ミステリーマン
ミステリーマン

そうだね。世界では2万人以上の死者が出ていて、私たちが暮らす東京もロックダウン間近だって声も聞こえてきてる。
シャッフルたん

広報エリナ

世間からだけではなく、医療の専門家たちからも、様々な意見が聞こえてきているぞ。このウイルスに関しては専門家にとっても不明な点がまだ多く、終息時期、終息のための方法もはっきりとは見えていないようなんだ。

 

なんでも仮にロックダウンで一時的にウイルスの拡散を抑え込んだとしても、世界的にここまで拡散されてしまうと再流行の可能性がかなり高いらしい。そうなると、どこまで厳戒体制を持続できるのか、というのが今後は問題になってくるそうなんだ。

 

たとえば、この先、何年間も学校を閉鎖していられるのか、あるいは、お店などを自粛的に閉店させていられるのか、といったような問題だな。このままだとウイルスとの我慢比べの様相を呈してしまうことになるのでは? という意見もある。

ミステリーマン
ミステリーマン

感染症ウイルスって、これまではある程度拡散した後は弱毒化して、人への影響が下がっていく傾向にあったよね。今回はどうなんだろう?
シャッフルたん

広報エリナ
そこについても様々な見解があるようだな。コロナウイルスはRNAウイルスと呼ばれるタイプのウイルスだから、本来は遺伝子変異が起こりやすいと言われている。しかし現状で、この新型コロナウイルス、COVID-19に関しては遺伝子変容の速度が遅いという報告もあるんだ。すると、弱毒化はあまり期待できないという専門家からの意見もある。

ミステリーマン
ミステリーマン

英国のボリス・ジョンソン首相が言っていたように、人々が感染を続けて集団免疫をつけていくしかないのかな。
シャッフルたん

 

 

広報エリナ
その道もウイルスを無害化する上では可能性の一つとして考えられているようだが、人類全体として抗体をもつためには人口の数十パーセントが感染するような極限的な状況になる必要があり、そうなった場合、現在の致死率のままだととんでもない死者数になってしまう。いずれにしても大規模な犠牲が伴う形になってしまうんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

一体どうすればいいんだろう。日本もどんどん感染者や死者が増えてる。昨日もタレントの志村けんさんが新型コロナウイルス感染を原因とする肺炎でお亡くなりになったっていうニュースが流れていたよね。ショックだった。
シャッフルたん

広報エリナ
私は医療の専門家ではないので、はっきりしたことは言えないが、いろいろと集めてみた情報から察するに、今後、数年はこの状況が続くんじゃないかと予想されている方が多いな。元どおりの世界に戻ることを考えるよりも、COVID-19のいる世界で生きていくための、新しい社会体制を作っていくということが求められているのかもしれない。つまり、私たちは今後、COVID-19と「共在」していくということを、社会生活の前提にしていかなきゃならない可能性が高いということだ。

2.人類はもともとウイルスの惑星に生きていた

ミステリーマン
ミステリーマン

そんなぁ、元どおりの穏やかな世界にもう戻れないなんて。
シャッフルたん

広報エリナ
うーむ、つらいところだが、ある意味では仕方がない話なのかもしれない。もともと、この地球上には大量のウイルスが存在していて、日々、進化し続けている。人間が生まれる遥か前から、この星はウイルスの惑星だったんだ。人間のゲノムにしても、その大部分がウイルス由来だということはすでに判明しているしな。

ミステリーマン
ミステリーマン

どういうこと?
シャッフルたん

広報エリナ
たとえば、母体から胎児へ栄養素を血液を通じて送り込むだろう? その際に、胎児の免疫によって抵抗が起こらないようにするために、胎盤がある種の濾過機能を果たしているそうなんだ。実はこの胎盤もまたウイルス由来の遺伝子から作られてるらしい。ウイルスがもつ免疫機能を抑制する力が胎盤に備わっているから、胎児は胎内で母体から栄養を受け取り、生きることができるんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

知らなかった。私たちはすでにウイルスと一体化していたんだね。
シャッフルたん

広報エリナ

そう。ウイルスだけじゃないぞ。私たちは腸内に生息している大腸菌などの細菌がいなければ、食べ物を消化することさえできない。ウイルスや菌は、私たちの敵ではなく、私たちの「生」の条件でもあるんだよ。

 

それに、たとえば地球上の半分の酸素は、海中に暮らすシアノバクテリアなどの植物プランクトンが起こしている光合成によって作られているわけだが、この光合成を行うDNAを伝播する役割を果たしたのもウイルスだったりする。そういう意味で、この地球という星は「ウイルスの惑星」でもあると言えるんだよ。

ミステリーマン
ミステリーマン

地球においてウイルスはとても重要な役割を持った先住民ってことだね。でも、だからといって、人類がどんどんウイルスで死んでしまっていく状況を指をくわえて見てることしかできないなんて嫌だよ。
シャッフルたん

広報エリナ
うむ。もちろん、私たち人類は人類として生存できるように、きちんと知恵を働かせていく必要がある。その上でも、地球上にはすでに様々なウイルスがいるのだという前提をあらためて認識して、作戦を練っておかなきゃいけないってことだ。そもそも、ウイルスにとってみても人間を殺したってなんの得にもならないんだ。キャリアが死んだらウイルスも死んでしまう。だから、ウイルスは本来、キャリアと共生することを目指す存在でもある。

ミステリーマン
ミステリーマン

でも、COVID-19ではすでに何万人もの人が死んでるよ。
シャッフルたん

広報エリナ
新型コロナウイルスを始め、20世紀に社会不安を起こした感染症の多くは人獣共通感染症と呼ばれる、種を超えて感染するウイルスによって引き起こされてるんだ。そして多くの場合、もともとそのウイルスと共生していた種にとっては、ウイルスは大した害をその身体に及ぼさない。たとえば、エボラ出血熱のような人間が感染すると死亡率が極めて高いウイルスも、それをもともと持っていたコウモリにおいては特別な症状を発症しないんだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

そうなの? すると人が動物と不用意に接触して感染してしまったことで、ウイルスが変容しちゃったってこと?
シャッフルたん

広報エリナ
変容したとも言えるし、人体という新しい環境でウイルスがパニックを起こしているとも言えるのかもな。なんにせよ、人が増え続け、これまで動物たちが暮らしていたエリアにどんどん生活エリアを拡大していったことによって、それまで起こらなかった種と種の接近が起こり、感染症のパンデミックというのは引き起こされてきている。ここはあらためて意識しなきゃいけないポイントだろう。

ミステリーマン
ミステリーマン

そっか。人間がわざわざ自分からウイルスに接近して、それによってウイルスと一緒に大量死するような大惨事を引き起こしてきた、とも言えるのか。
シャッフルたん

広報エリナ
あるいは人間同士でもそういう悲劇は起こっているな。かつて西洋の航海者たちが先住民たちの里を発見した際、そうした集落に文明とともに新たなウイルスが持ち込まれてしまった結果、集落ごと滅びてしまったなんて話は山のようにある。新しい出会いというのは時として残酷なものなんだよ。

3.世界で注目を集めている「Social Distancing」とは何か

ミステリーマン
ミステリーマン

じゃあ一体どうすればいいんだろう?
シャッフルたん

広報エリナ

今、世界で話題となっているのは「社会的距離戦略(Social Distancing)」という言葉だ。基本的には、感染拡大のペースを落とし、医療機関への負担を減らすため、住民の行動を制限し、不要の接近や接触を控えようという対策だ。

 

だが、さっきも言ったように、COVID-19と長期的に「共在」していかなければならないと考えた時、私たちが日常的にとっている他者との距離、はたまた国と国、街と街、人と人以外との距離などを、もう一度、根本から考え直さなければならなくなる。

 

知っての通り、産業革命の起こった近代以降、人や物が世界中を駆け巡るようになり、それは21世紀以降も、ますます加速的に進行している。これまで繋がらなかったはずの場所同士が繋がり、人々や物資が各地を行き交い、また日常的に交流を持つようになった。いわゆるグローバル社会とはそういう社会のことだな。

 

もちろんそれによるメリットもたくさんある。ただ、このグローバルな人や物の行き交いは、同時に、見えないレベルにおいてウイルスや細菌も行き交わせることになった。言ってしまえば、私たちはいつも見えない同伴者を引き連れて動き回ってきた、というわけなんだ。

 

今回のパンデミックも、人と異種、そして人と人との過剰な接触によって、引き起こされている可能性が高い。だから、まずは行動を制限する必要があり、その上で、より根本的に、今後、我々が他者と取るべき適正な距離感についてを、あらためて考え直さなければならないのではないか、そのように言われているんだよ。

ミステリーマン
ミステリーマン

確かに、ロックダウンとか入国禁止措置とか東京都の「3密」とか、各国政府、各自治体が行なっている措置を見てると、世界はそういう方向に向かっているように見えるね。でも、距離が大事なのは分かるけど、それじゃあ人々がどんどんバラバラになっていっちゃうような気もするなあ。
シャッフルたん

広報エリナ

幸い、現在はオンラインでも人々が繋がれる時代だからな。移動に制限がかかっても、ネットを介して人々の交流自体は継続できる。そうした繋がりは大事にしていきたいところだ。ウイルスへの恐怖から一国孤立主義や分離主義みたいな考えが目立ちすぎてしまうのも、それはそれで危なっかしさがあるしな。

 

ただ、いずれにしても、そうしたリスクを含めて、これまでの人々のライフスタイル、社会設計の全てが見直されなければならない、というのが今まさにCOVID-19との「共在」において考えられ始めていることなんだ。おそらく、世界は歴史的な変わり目にあるのだと私は思っているぞ。

ミステリーマン
ミステリーマン

日常的にはどういうことに気をつければいいのかなあ?
シャッフルたん

広報エリナ
まずは地味だとしても専門家からのアドバイスに耳を傾けていくことだと思う。不用意に出かけない、人ごみを避ける、テレワークができる人はテレワークをする、きちんと手洗いをする、そういう日常的なところから変えていくのが、COVID-19との共在において身を守るための第一歩なんじゃないかな。なんにせよ長期的な話になることは間違いないんだから、日々の細かな点から少しずつ修正していくしかないと思うぞ。

ミステリーマン
ミステリーマン

学校や企業とかをいずれ再開するにしても、積極的にリモート授業やリモート会議とかを導入したり、そういう対応が今後望まれていくのかもしれないね。
シャッフルたん

広報エリナ
うむ。「ロックダウン」か「元通り」かという二者択一の発想から一旦離れて、いろいろな策を考えていかなきゃならない局面なんだと思うぞ。

4.ポストコロナ時代において3Dプリンターに期待されること

ミステリーマン
ミステリーマン

そういう状況において、3Dプリンターには何ができるんだろう?
シャッフルたん

広報エリナ
人々の繋がりを制限し、物流への依存度などを下げつつ今後生きていく上で、おそらく3Dプリンターというテクノロジーが一つの鍵となっていくのではないかと思うぞ。これまで様々な記事で紹介してきたように、家屋建築、インフラ設計、日用品の製造、電子機器の部品製造などにおいて、3Dプリンターは既存のサプライチェーンに頼らない、地産地消型の製造のあり方を可能にしようとしているからな。

ミステリーマン
ミステリーマン

先日も医療機器の修理部品の不足を3Dプリンターで解決しようとしている取り組みについて紹介したよね。
シャッフルたん

 

3Dプリンターは新型コロナウイルス時代を生き抜くために最も重要なテクノロジーとなるか

 

広報エリナ
ああ。その後、人工呼吸器のプリンティングに関しては、日本でも取り組みが始まっているな。たとえば国立病院機構新潟病院や広島大などが、3Dプリンターでの人工呼吸器のモデルが作れる製図データを世界に無償提供する取り組みを始めたそうだ。現在、各国の医療システムが機器不足でパニックを起こしている状況を踏まえれば、これは実に立派で有用な取り組みだと思うぞ。

ミステリーマン
ミステリーマン

そうか! 物流そのものが仮に間に合わなくてもデータの提供なら一瞬で世界に拡散できるもんね。
シャッフルたん

広報エリナ
うむ。他にも医療従事者向けに、北米トヨタがやメルセデスベンツがフェイスシールドや人工呼吸器などの医療機器を3Dプリンターで生産することを発表している。皆それぞれがそれぞれの場で今できることに取り組んでる形だ。

ミステリーマン
ミステリーマン

まさに今一番必要なものを現地で作ることを目指しているんだね。
シャッフルたん

広報エリナ
医療機器だけじゃない。たとえば、深刻になっているマスク不足などにも、3Dプリンターが対応している。日本のイグアスというIT企業が、3Dプリンターでつくれる3Dマスクを開発し、その3Dデータを無償公開しているんだ。

 

画像引用:イグアス(https://www.iguazu-xyz.jp/knowledge/trend_02

 

ミステリーマン
ミステリーマン

今後、こうした3Dプリンターの用途がどんどん増えていきそうだね。
シャッフルたん

広報エリナ
ああ。それこそ「プロダクト」としての販売ではなく「3Dデータ」としての商品販売などが実装されていくべき時期が来たとも言える。外出を避け通販に頼ったとしても、それが過ぎれば、配送業者への負担が高まってしまうからな。各国で外出禁止、外出自粛の長期化が検討されている中、商品の「3Dデータ」販売という形式の普及がオルナティブな「物流」を生み出していくかもしれない。

ミステリーマン
ミステリーマン

その上では家庭用3Dプリンターの一般家庭への普及が鍵となるのかもね。
シャッフルたん

広報エリナ
うむ。そして、人々の娯楽のあり方も変わってくるかもしれない。外に出かけて、多くの人が行き交う場において何かを楽しむということが、この先しばらく自粛しなければならないという時期が続くと予測されている。そうしたとき、家庭での「ものつくり」が人々の新たな娯楽の一つとして注目されることになるはずだ。

ミステリーマン
ミステリーマン

そうなってくれたら嬉しいな。今のこの世界を、少しでも前向きに生き延びていくために。
シャッフルたん

広報エリナ

もちろん、楽観できるような状況ではない。今日とて新たな感染者が生まれ、志半ばで亡くなってしまう方々がいる。そのことを忘れて希望だけを語ることは許されないだろう。それに今話したようなことは、あくまでも現状で報告されている情報をベースとしたもので、まだCOVID-19については不明なことも多い。状況はこの先も刻々と変化していくだろうと思う。

 

ただ、どのような状況になったとしても、私たちには苦難を乗り越えるだけの力があると信じている。ウイルスがこれまでずっと進化を続けてきたように、人類もまた進化を続けてきたからこそ、今、私たちは生きているんだ。つらい時期ではあるが、この未曾有の困難をクリエイティブに乗り越えていける道はどこかにあるはずだと思っているぞ。